IT業界の技術者は人材不足、需要が旺盛である。この技術者の中には、当然のことながらプログラマも含まれている。スマホアプリの開発、ウェブベースで動くアプリケーション開発からデータベースの構築、メンテナンスに至るまで、マンパワーが充足しているプロジェクトは少数派だ。しかしながらIT関係の専門学校は全国各地にあり、4年制大学でも理工系の学部に情報処理関連の学科を置いているところは珍しくない。技術者は毎年増え続けているはずなのに技術者は不足している。
不足する背景には実務で求めるITスキルと学校で学ぶそれに大きな乖離があることが挙げられる。プログラミング言語一つとっても、当該システム開発プロジェクトで使用している言語に精通していて、プロジェクトに参加したその日から開発業務に携わることができる即戦力を求めるケースが多い。そうなると、キャリアの浅い技術者は選考対象外になりがちである。翻って、キャリアが豊富でスキルが高い技術者を多数集めるには相応の資金力が必要になるが、予算には限りがあり、必要なレベルの技術者の頭数を充足させるのは困難だ。
加えて、開発プロジェクトが求めているスキルが多様化して、技術者マーケットに適任者が少ないことも考えられる。技術を習得しても需要が少ないものは技術者側も積極的に取り組みにくくなる傾向がある。そうなると、特殊な技術を用いたプロジェクトは慢性的な技術者不足に陥りやすい。技術者としては多能工化を積極的に進めていくとチャンスが広がる。とはいえ、初心者がいきなり多能工化を目指すのは難しい。そのため最初は学びやすいものから習得し、徐々にステップアップしていくといいだろう。